未知の食材が好きな人なら、何持って行ってもあざとく感じるよな。うん。
いいや、何も持ってかないでいこう。
身なりは清潔感をしっかりして。。
・・ん?
というか、このアドレスって・・。
やっぱりそうだ。
移住区だぞ。これ。
まさかの職場訪問ならぬご自宅訪問になろうとは。
いいのか?伝説の隊員とはいえ、女性・・見知らぬ輩を上げても。
ま、ググれば大体の個人情報は入る。
前科もないし、健康優良児。警戒する点がなかったのだろう。
しかし・・しかしだ。
ご自宅訪問とな。
何も持たないことがちょっと不安になってきた。
いやいやいや、下手な小細工よくない。シゴトナイヨウキキタイダケ。
さて。
ここだな。「カハカイ」
さすがに多少は緊張する。
何せ事前情報ほぼゼロ。
ムッキムキの強面レディなイメージだけど・・。
さあ、いざ伝説に突撃・・!
お、さすが伝説。
「虹彩認証ホン※」が導入されている・・。
お、通った。よかった。拒否はされていないようだ。
こ・・こんにちわー・・
カハカイ
「お、いらっしゃい。カイ?約束の時間ちょうどにきたね。よろしく!」
おぉおぉぉぉ・・・。
オールバックに、長く編み込みされた艶のある黒髪。
職業柄か、綺麗に焼けた褐色の肌に輝く切長のゴールデンアイ。
引き締まったボディに、軽装型パンクファッション。
かっこいい、かっこいいぞ。
全然強面ではない。どっかの雑誌に載っていても違和感ないかっこよさ。
カハカイ
「ん?どうした?珍しいお茶用意してあるから、上がっておいで」
・・・。つい魅入ってしまった。
・・変人確定してごめんなさい。
お邪魔します・・!!
カハカイ
「いらっしゃい。改めて、私がカハカイ。
調査隊員歴・・10年?12年だったかな?中堅くらい。結構噂になっているから、カイ君も知っていると思うけど、、珍しい食材を探すことが好きで調査隊員で働いているよ。よろしくね。」
もちろん、存じております。
あ、このお茶・・不思議な味がしますね。甘い?のかな。面白い。
カハカイさんは逆にそれ以外、ほぼ情報がなくて・・これだけ有名なお方なのに、ご自身からはほぼ発信されていないんですね?
カハカイ
「そんなことしている暇があったら、やっぱ海に潜りたいんだよね。
生きている間、動ける時間って思ってるよりきっと短い。満足して死ぬためにも、やりたいことやっておかないと。」
おぉぉぉ・・・
カハカイ
「しかし、カイ。君も面白いね。大体私に会いにくる人は、何かしら珍味を持ってくる。」
ですよね。ご自宅訪問なのに手ぶらで申し訳ないです。
カハカイ
「いや、正直求めてないんだけどね。そういうのは自分で見つけるから面白いんだ。どうしてそんな噂になっているのか・・。面白いからほっといているけど。」
おぉぉぉぉ・・・
やはりこの人かっこいいな。つよつよだ。
ということは、普通にお話していただけますか?
カハカイ
「私をなんだと思ってきたんだい。どうぞ。君のために2時間は取ってあるんだ。」
ありがとうございます!!!!!!!
なぜ、そこまで‥潜ってまで調査に行かれるんですか?
美味しいものが好きなのはわかります。
潜るのも決して安全では‥というか未知の領域結構危険ですよ?
カハカイ
「んー。ま、変人だからかな。
そうだな。味覚デバイス持ってないって言ってるけど。昔は持ってたんだよ。
全ての味を一通り試したから、売った。」
あ、それは変人ですね。
甘味、酸味、塩味、苦味、うま味
それぞれで16段階設定できるから・・
16の5乗・・・(計算中)
1,048,576
うん。やっぱり変人ですね。
カハカイ
「だろ。こんな世界じゃ、知的欲求を満たせることは少ないからね。
人が持ってる情報を見つけるのは、つまらない。
誰も知らない、人類未知の、それも味を見つける快感は生き甲斐だ。それだけだよ。」
おぉぉぉぉ・・・
やはりこの人かっこいいぞ。
そ・・それで、未知の発見はどのようにされているんですか?
カハカイ
「勘。かな。」
まじか。野生か。この人すごいな。
カハカイ
「と言っても、確実に当たる勘ではないよ。
なんとなく・・な匂いというか。経験的な部分も大きい。カイも未知に興味あるんだね?」
そりゃあもう、ワクワクしますね!
カハカイ
「それだけ?」
ん・・・んンンンンーーーーと言いますと?
カハカイ
「ごめんね。元々ここにくる人はそれなりに調べるんだけど。
手土産ないし、君はちょっと特殊だったから、つい好奇心のままに。今ちょっと調べてました。
一方的に知られているだけってのは、気持ち悪いかと思って」
今調べてたんかい。
歯切れが悪いな・・
そんな重たい何かを抱えている人間ではございません。
ましてや、インターネット上に載っている情報は隠しているわけでもないっす。
カハカイ
「君は前の区画に・・奇病を患っている大事な人がいるんだろ?」
あ、やっぱバレてら。
大体その通りです。
しかし、大事な人って・・表現がまた熱い。
カハカイ
「そりゃ、そうさ。
君の歳で、「潜水士1級」と「電気整備士2級」と「探鉱士2級」を取得済み。
私ですら「潜水士特級」だけだ。
よっぽどの変態か・・。
何か新しいものを求めているんだろうと思ってさ。
ごめんね?つい好奇心で調べてしまったよ。」
さすが伝説の調査隊。
確かに調べたら出てくるだろうけど、すぐにポーンと出てくる情報ではなかったはず。
ま、隠していたわけでもない。
ただ眠り続けているだけ。
定職について、金もあって、さらに新発見で救えたら・・
と思ってるだけですよ。一石三鳥です。
カハカイ
「私は医者じゃないから、なんとも言えない。ごめんね。
ただ、せっかくきてくれた、未来のかわいい後輩に一つ。それこそ伝承のようなものだけど」
え?さすが伝説・・。
隠し球があるんですね?
カハカイ「”KUJIRA”を集めろ。」
ん?
カハカイ
「さすれば、大体のことは叶うって話があるみたいだよ。」
ええええええ・・・・
めっちゃフワッとしてますね。珍しく。
カハカイ
「だね。
ただ、全くの噂って気もしないんだよな。勘だけど。」
いえ!まさか未来の先輩宅で、このような話が聞けると思っていなかったので。
ありがとうございます。
まさかここで、KUJIRA出てくるか。
くじら教もその伝承ありきで存在しているのだろうか。
全く興味なかったけど、調べてみようかな・・気が向いたら・・。
カハカイ
「ちなみに・・その大事な人って。ご兄弟なのかい?」
あぁ。確かに、それは調べても出てこないだろうな。
※ ATTENTION※
「カハカイ」に興味を持たれたカイ。
話しながら調べられていたとは・・彼女は視覚デバイスも確実に所持していますね。
さて、カイの”大事な人”とは、一体どのような間柄なのでしょうか?
なぜかデータを保有している探求者にだけ、早期公開され、選択肢や回答が求められます。
全てには理由があるので、どうぞお暇な際に、ちょっとだけこの物語へ想いを馳せてください。
あなたの生活に”ちょっとだけ”ワクワクする廃坑的な冒険をお届けします。
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